食生活

【トラブル解決】デグーが牧草を食べない原因と対策を深堀り解説

こんにちはTSUBAKIです。

デグー飼育における衣食住とは、温度管理・食事管理・ケージ管理でしょうか。

今回の記事では、食事管理の中の牧草にスポットを当ててみました。
「牧草を与えなければ」と思っても、思うように食べてくれないことがあります。

何で食べてくれないの?
もっと食べてほしいな

牧草における悩みを原因と対策に分けて紹介します。

 

デグーの牧草は主食

飼育下におけるデグーの主食は牧草です。
これはデグー飼育者にとって、一般的になってきているでしょう。

自然界では様々な植物を食べています。
樹皮や種子なども含め、昆虫なども食べているという情報もあります。

しかし、それを飼育下で再現するのは難しいですよね。
さらには健康に良いのかというと、私は疑問に感じています。

野生のデグーは寿命が1〜2年くらいといわれています。

捕食者に捕まって死んでしまうということもありますよね。
他にも自然界では好きなものだけを食べていることが、寿命に影響しているんじゃないかと感じています。
デグーの食に対する執着心を見ていたら、好きなものばかり食べている姿が容易に想像できます。

そのため、デグー飼育では牧草を主食なのは、食事管理をするという目的と認識しています。

ペレットは足りない栄養素を補う副食

牧草は完全栄養食ではありません。
不足する栄養素を補うのがペレットです。

先の項で述べたように牧草を主食としつつペレットを副食として与えます。

ペレットを与える量に関して、諸説あり何が正しいのか分かりません。
我が家では体重の5%くらいを基準にして与えています。

ペレットは毎日計測して与えていて、9〜10gになっていますね。
4匹のデグーが皆同じ量なので、カイのように巨デグーだと体重の3%くらいになっているのですが。
体重は維持できているので、問題ない量という判断になるんですよね。
そこがデグーに与えるペレットの適切量の判断の難しさであります。




事象:牧草を(あまり)食べない

ここから今回の記事の本題です。

デグーに牧草を与えているけど、ほとんど食べないという事象にはどんな原因があるのでしょうか。

これにはいくつかの原因が予想されるので、一つずつ考えていきますね。

牧草を食べているか判断する方法

どれだけ牧草を食べているのか判断するには、「与えた量−残った量」で判断できます。
と、言ってしまえば簡単なのですが、実際には計測が難しいですよね。

デグーは牧草を食べるときに散らかします。
それをかき集めてグラムを計るのは現実的じゃありません。

牧草を食べてるかの判断基準

  • 牧草を食べてる姿を見かけるか
  • 牧草を補充した時に食べに来るか
  • 糞が小さくないか
  • 糞の数が少なくないか

この他にも、お腹が空いている時間帯を狙って、牧草を手渡しであげてみるのも有効な方法ですね。
食べれる牧草なら受け取りますよ。

以上の項目で、牧草を食べない&あまり食べないの判断をすると良いでしょう。

原因1-1:牧草が好みじゃない(嫌い)

「与えている牧草がデグーにとって好みじゃない」事が原因で、食べなくなっている可能性があります。

デグーは食に対するこだわりが強い動物です。
好みじゃない牧草であれば、食べ物であると認識されていないなんてことも。

原因1-2:同じ牧草ばかり与えている

同じ牧草ばかり与えていると、飽きが生じて食べなくなる可能性があります。

ヒトであっても良い銘柄のコメを毎日食べていたら、味に慣れて美味しさが分からなくなってきます。
たまに違う銘柄にしたら、同じコメであっても味の違いが分かりますし、新しい発見がありますよね。

デグーも同じです。
良い牧草を与えていても、同じものばかりだとそれに慣れてしまい、飽きが発生しやすくなります。

原因1-3:牧草の鮮度に問題がある

牧草を食べない原因として、鮮度の問題があります。
この鮮度というのは意外と軽視されやすい項目なのかなと考えています。

乾燥した牧草にも鮮度があります。

牧草はペール(大きな塊)で仕入れられて、そのペールをほぐして袋詰めされたものが私達が目にしている商品です。

ペールの状態では温度管理された倉庫に保管されており、大きな塊であるため保存性も高くなります。
この辺りは肉や魚と同じですね。
ペール外側の鮮度は徐々に落ちていきますが、中心部は鮮度の高い状態が維持されやすいです。

袋詰めされた状態では、中に脱酸素剤が入っていて、低酸素状態にする事で保存性を向上させています。
そこから開封すると、酸素に触れて鮮度の低下が急激に始まります。

鮮度が低下すると、牧草の味や香りが低下し、嗜好性が低くなる事でデグーが食べなくなる原因になります。

対策:1-1 牧草の与え方を変えてみる

現在与えている牧草を食べないことに対して、与え方を変えてみることで食べてくれる可能性があります。

  1. 与えるタイミングを変えてみる
  2. 補充の仕方を変えてみる

与え方で気をつけるポイントは補充のタイミングと方法です。

「牧草を与えるタイミングはいつですか?」

牧草とペレットを同じ時間もしくは近い時間に与えているのであれば、別々の時間に与えてみてください。

牧草は袋から出して補充すると、どんどん香りが失われていきます。

ペレットと同じタイミングで補充すると、先にペレットを食べますよね。
ペレットを食べ終えて、お腹が減ってきたときには牧草の鮮度が落ちて香りが減少しています。

そうなると、牧草をあまり食べないということに繋がります。

我が家では朝にペレットを与えて、夜に牧草を与えています。

これは一番お腹が空いているタイミングに牧草を与える事で、牧草食べるように仕向けています。

補充したての牧草が香りも良く汚れていないので、食べる事が多くなりますよ。

次に補充の仕方を変える方法です。

「牧草はフィーダーなどの容器に入れていますか?」

フィーダーに入っていると、牧草の食べれる箇所を探すのに手間取ったり見つからなかったりします。
他にもフィーダーは小さい製品が多いので、あまり牧草が入らないんですよね。

私がオススメするのは、デグーが身体ごと入れる底面積が広くて浅い容器に変える方法です。
我が家ではうさぎのトイレを代用しています。

うさぎのトイレを代用するのは、ケージの床面積に余裕がある場合に有効です。
そこまで面積が取れないよという場合には、ケージの床全面に牧草を敷いてしまうのが効果的です。

牧草を床材にしてしまうと、汚れやすくなるデメリットがあります。
しかし、牧草を食べてもらう対策としては有効でしょう。

汚れた箇所は、こまめに取り除くようにしてくださいね。
毎日大量の牧草を補充する事で、デグーが食べてくれる牧草の部位を見つけやすくなります。

補充にも一工夫を加える

この他にも、牧草を与える時にハサミでカットして短くする方法も効果がある場合があります。
市販されている牧草は加工されていないので長いですよね。
長いままだと食べにくい場合があります。

他にも、カットした際に切り口から香りがでるので、その香りで食欲を刺激することができますよ。

さらには、与える前に電子レンジで少し加熱して温める方法もあります。

電子レンジで温めると、水分が抜けるので乾燥具合を上げることができます。
また、発生した水分からも牧草の香りがするので、食欲を刺激する効果が見込まれます。

加熱するさいには、加熱しすぎて焦げないように少しの時間ずつ様子見ながらしてください。
アツアツにする必要はないので、加熱しすぎないのがコツですね。

対策:1-2 牧草の種類を変える

牧草には多くの種類があります。
現在与えている牧草を食べないのであれば、次は違う種類の牧草を試してみましょう。

例えば、現在チモシーを与えているのであれば、オーツヘイやバミューダヘイを試してみます。
それでも食べないのであれば、オーチャードグラスやクレイングラスを試します。

このようにどんどん違う牧草を試していきましょう。

チモシーでも一番刈りを食べないのであれば、二番刈り三番刈りを試します。
さらには、同じ一番刈りでも違うメーカーのものを試してみるのも効果的です。
産地が違っていても風味が変わってきます。

ヒトにとっては牧草の違いって、それほど分かりません。
しかし、感覚が鋭敏なデグーには違いが分かるんですよね。

ちょっとした違いでデグーが食べてくれる事があります。

牧草を通販しているショップでは少量の「お試し牧草」なるものがあります。
そういった商品を利用し、食べてくれる牧草を探すと良いでしょう。

いくつか食べる牧草があれば、大袋を購入し、ローテーションしながら与えてみましょう。

対策:1-3 牧草の保管方法を変えてみる

牧草の保管方法はどうしていますか?

牧草は開封すると、どんどん鮮度が落ちていきます。
かといって、単頭飼いであれば、牧草を早く消費できないですよね。

その場合の保管方法に工夫することによって、鮮度を保ちやすくすることができます。

一つ目の方法は、乾燥剤を入れることです。
これに関しては当ブログでも書いています。

乾燥剤を入れることによって、牧草が湿気るのを防ぎます。
湿気を含むとカビや虫が発生しやすくなります。

また、大きな乾燥剤をいれると、牧草の乾燥具合を上げることができるので嗜好性が高くなる傾向があります。

二つ目の方法は、冷蔵庫の野菜室にいれる方法です。

我が家は業務用大量パックを買っているので、冷蔵庫に入れていません。
500gパックくらいであれば、比較的冷蔵庫に入れやすいですよね。

冷蔵庫で温度管理をすることで、牧草の品質劣化を遅らせることができます。

乾燥剤と合わせることによって、牧草の品質は非常に良い状態を維持できますよ。

対策(番外編1):プレミアム牧草を与える

牧草の与え方と種類を試しても食べてくれなかった場合には、プレミアムな牧草を与えてみます。

プレミアムな牧草は、ショップで販売されている少量生産されている高級牧草

このプレミアムな牧草を食べてくれる可能性は高いです。
我が家でも以前に与えてことがありますが、同じ牧草とは思えないぐらい嗜好性が高いですね。

プレミアムな牧草は素晴らしい商品なのですが、少量生産のため販売されている期間が限られています。
「これしか食べない」という状況では、販売終了してしまったら食べるものが無くなってしまいます。

そのため、プレミアムな牧草を与える対策は一時的な方法だと考えていてください。

プレミアム牧草の扱いは、先の項に挙げた違う牧草の種類を与える対策の一環だと考えるのが良いのではないでしょうか。
ローテーションの一つとして確保しておく感じですね。

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対策(番外編2)ペレット型の牧草を与えてみる

近年では牧草をペレット状に成型した製品が販売されています。

昔からアルファルファはキューブ状に加工されたものがありましたが、それのチモシーバージョンといったところでしょうか。
アルファルファキューブに関しては、小動物用に作られたものではなく、家畜の飼料を流用されたものですね。

チモシーをペレット状にしたものは、小動物用に開発されたものなので食べやすく設計されています。

このペレット型の牧草は我が家では試したことがありません。
今度機会があれば、ちょっと試してみようかな。

牧草型のペレットで気になるのは、嗜好性・不正咬合予防効果あたりでしょうか。

特に牧草型のペレットで、どれくらい不正咬合を予防する効果があるのか気になりますね。
効果がないのであれば、与えるメリットってあまりない気がします。

牧草型のペレットは、粗く刻まれた状態でペレット状に成型されています。
すでに細かく粉砕されているため、食べるときには前歯をあまり使わないので、前歯の伸びには効果が薄そうに感じます。

奥歯に関しては、さらに細かく磨り潰すために、ある程度の効果は望めそうです。

ペレット型の牧草は、今回紹介した対策でも食べなかった場合の手段になるのかなという印象です。

「ペレット型の牧草しか与えない」というのは、健康によくないイメージがあります。



原因2:ペレットの与え方に問題がある

牧草を食べない原因で考えられるのが、ペレットを与える量が多すぎることです。

  • デグーにはどれくらいのペレットを与えていますか?
  • ペレットは毎回計量して与えていますか?

デグーに与えるペレットの量に関しては、「これだけ与えれば大丈夫!」という正しい量は分かりません。

私の経験から言えるのは、体重の5%以下くらいでしょうか。
ペレットのパッケージには10%くらいと書いてあるものをありますが、あれは多すぎでしょう。
実際に計量してみると山盛りですよ。

さらには、ペレットは一時間以内に食べ切れる量と決めています。

ケージ内にペレットがあれば、牧草は食べません。
牧草よりペレットの方が嗜好性が高いためです。

デグーからしてみれば、美味しいもの(ペレット)があるのに、わざわざ牧草を食べようとしませんよね。

対策:ペレットの与え方を変える

対策として、ペレットの与え方を見直しましょう。

ペレットは柔らかいソフトタイプにする。

ペレットは固いハードタイプと柔らかいソフトタイプがあります。
これは製造方法の違いによって変わります。

柔らかいソフトタイプの方が歯に優しく、食べる時間も短くなる傾向があります。

ペレットに歯を削る効果は期待できません。
それなら「出来るだけ柔らかいものを選ぶ」という基準です。

次に、ペレットを食べている時間を計測し、頻繁に隠しに行っているのであれば量を減らしましょう。

ペレットを食べる速度に関しては、デグーにより個人差があります。

我が家でも4匹同じ量を与えていますが、食べる時間は大きく異なります。

メスデグー達は遅く、オスデグーのカイは非常に早いですね。
これはカイがペレットを丸飲みして奥歯だけで食べているからなのですが…。

食べる時間に個人差はあれど、歯の異常などがない状態で一時間以上食べているようでは長いでしょう。

食べている時間が一時間を超えるようであれば、ペレットを撤去するor量を減らすなどの対策を取ります。

闇雲にペレットを減らすのではなく、デグーの体重変化を見つつ調節

この他にも、我が家ではペレットの選び方で気にしている点があります。これは賛否両論あるので、1つの方法の一つとして参考にする程度にしてください。

我が家ではペレットはアルファルファベースの物を選ぶようにしています。

これは嗜好性を重視しているからです。

嗜好性が高ければ、それだけ集中して早く食べてくれるようになります。
早く食べ終えれば、お腹が空くのも早くなり、牧草を食べる時間が増えることに繋がります。

アルファルファベースだと尿路結石が心配という声があるのは確かです。
しかし、量を守って与えていれば、ペレットが原因で尿路結石になる可能性は無いと感じています。
乾燥野菜や野草に含まれるシュウ酸摂取の方が、尿路結石の方が恐れがあるかな。

他にも、アルファルファベースのペレットの方が柔らかい傾向があるような気がするんですよね。これに関しては、少し調べて見ます。

原因3:歯に異常がある

「デグーは歯が命」という言葉があります。

デグーにとって歯は生命線です。
歯に異常があれば、牧草を食べることができませんし、ペレットも食べるのに不自由になります。

主な歯の異常として不正咬合(ふせいこうごう)があります。

不正咬合の原因は、歯並びと歯の削り具合が大きく影響しています。

歯並びは、先天的に異常がある場合と、後天的に異常がある場合があります。
先天的は、遺伝で生まれた時からおかしい場合と、成長に従い歯に異常が発生することがあります。

後天的には、ケージかじりや落下などによって、歯に大きな負荷がかかった場合に異常が発生します。

歯の削りに関しては、牧草を食べる量が影響しやすいですね。
デグーの歯を削るのに必要なものは、固いかじり木ではありません。

歯を削るのは、多くの咀嚼が必要となる牧草です。

咀嚼をする際に、歯と歯をこすり合わせることで歯を削ります。
表現が正しいは分かりませんが、「強い歯を削るには強い歯が必要」といった感じでしょうか。
意外とデグーの歯は柔らかいので、表現が難しいですね。

不正咬合の症状や兆候

  • 体重が低下
  • 食欲が低下
  • ペレットの食べかすが多い
  • 糞が小さい
  • よだれがでる
  • 口周りや前足が汚れる
  • 鼻水がでる
  • 涙がでる
  • 顎が腫れている

対策:病院で治療する

デグーが不正咬合になったor疑いがある場合、どんな対策が必要かというと病院に行って治療することです。
兎にも角にも病院に行ってください。

不正咬合を改善するためには治療が必要です。

まずは治療。
そして、次に環境を改善することです。

デグーの歯は奥歯も含めて一生伸び続けます。
これは、不正咬合の症状が見られるようになっても、歯が伸びるのは止まりません。

また、歯の伸びる速度は結構早い印象があります。

我が家でもつい先日、カイの前歯の片方が3mmほど折れました。
その時の折れた歯の伸びる速度は、私が思っているよりも早かったです。

3mmの折れた歯は、10日ほどで元の長さまで伸びています。
一か月くらい掛かるかなと思っていたら、一日一日明らかに伸びていって改善しているんですよね。

不正咬合の症状が見られる時には、事態は深刻な状況になっています。
歯の伸びるのは止まりませんので、さらに悪化させる事態となります。

そのため、症状が見られた時点で、なるべく早く病院に行って診察と治療を行うようにしてください。

「デグーが牧草を食べない」まとめ

デグーにとって牧草は主食です。
これは飼育下におけるデグーにおける場合です。

牧草を食べることによって、不正咬合や消化器官の異常(食滞)の予防につながります。

「多くの牧草を食べてもらいたい」

これは飼い主の皆さん全てが思っていることでしょう。

しかし、デグーからしてみれば牧草を食べない場合があります。

  1. 牧草が好みじゃない
  2. ペレットが多くてお腹が減ってない
  3. 歯が痛くて食べれない

多くの原因は、この3つに分類されるんじゃないでしょうか。

その中で、お家にいるデグーにどれが当てはまっているか観察することが大切です。

デグーは人と会話することはできませんが、感情表現が豊かな動物です。
牧草を与えた時の反応を観察していると、自ずと原因と対策が分かるようになってきます。

今回の記事は、その「気づき」を感じていただけるように書いてみました。
長い記事になっていますが、要所要所だけ見て頂いて問題ありません。
話の脱線も多いですし。